2015年06月30日

モエギを死なせてしまった。

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温室の構造。3段で、ヒーターは最下段。上へ暖気が上昇する


好結果に繋がりそうな種も多い2015年シーズンだが… 実はだいぶ前に、過ちを犯してしまっていた。モエギを1頭、死なせてしまったのだ。去年の夏にやってきて以来全く餌を口にせず、ようやく冬に餌を口にし、じっくりと立ち上げてきた個体だ。

最近の体調は、抜群だった。死なせた原因は、蒸れた高温に曝してしまったこと。今年の5月は晴れの日が多く、後半になると最高気温がぐんぐん上がっていった。それに対応して、基層温度を支えるヒーターを切った。温室内の保温スポットライトを、熱放散の少ないスパイラル蛍光灯に変えた。ここまではよかった。
しかしキレーネの導入が、状況を変えた。3段の温室の最下段に、キレーネを配置した。最下段は、キレーネにはいまいち低い温度だったので、スポットライトを再導入した。そして、ガラス戸を締め切ったままにしたのだった。

5月前半は、それでもよかった。外気温がそこまで上がっていなかったから。しかし外気温が上がった後半になっても、同じ管理を続けていた。それが特に気温が上がった5月末のある日、床材にたっぷり散水して出かけた。すると高い外気温とホットスポットからの暖気上昇により、モエギの段の温度が急上昇。水の撒きすぎと相まって極度の蒸れに曝してしまい、死に至らしめてしまった。メモリー機能付きの最高最低温度計は当日、35℃を記録していた。

明らかに異なる温度帯を好む種を同じ温室で管理すること自体、無理があったのだ。いや仮に同じ温室でも、モエギの段のガラス戸を開けておけば、暑さに曝さずに済んだ。多少暑くても水を撒き過ぎなければ、蒸れは防げた。ちょっとの想像力があれば、防げた事故だった。何でそれができなかったのか?なぜ、おかしいと思わなかったのか???自分で自分が情けない。拒食から立ち上げた、思い入れのある個体。最近は顔を見れば寄って来るまでになったのに… 
異なるタイプの種を導入するということが、どういうリスクを招くのか。キレーネが奇跡の入荷だからと安易に飛びついたせいで、環境を整備する意識が追いついていなかったということだ。死なせてしまったモエギに申し訳なくてならない。

不幸中の幸いなのは、同段の他の個体は大事に至らなかったということ。まだ十分に太っていない個体が、坑道のカナリアになってくれたのだ。本当に申し訳ない思いでいっぱいだ。しかし彼の死から、リスク管理の甘さを痛感した。季節と共に状況は刻々と変わることを、嫌というほど思い知らされた。ひいてはさらなる意識の向上で、残った個体たちを健康に育て上げるのが、せめてもの弔いとなればいいのだが…

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初めて、全身を出してくれた頃の写真


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初めて餌を食べた時。嬉しくて激写してしまった


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在りし日の、モエギ太郎
posted by 宮っ子 at 21:17| Comment(10) | TrackBack(0) | モエギハコガメの囁き | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
お悔やみ申し上げますm(__)m
考えさせらる内容でした。
自分も何度かヒヤッっとした経験がありますので、教訓にしたいと思います。そちらほどのベテランでも今回のように死なせてしまう事があるのだと思うと、私なんかは注意して世話したいと思います。
Posted by 亀仙人 at 2015年07月01日 02:39
お悔やみ申し上げます
お気持ちお察しいたします
モエギのおもしろさ、難しさともに知っているので
よくわかります

身に覚えがあるお方も多いと思います
僕も同じことで随分反省してきました

飼育数が多くなってくると
限られたスペースでやりくりするので
大丈夫、と思っていてもどこかムリして
結果カメに負担が…

僕も年数長いだけに飼育数もしらぬまに増え…(;´∀`)
そろそろ絞るか考えなければ…です
Posted by ワキンナマスター at 2015年07月01日 06:29
この度は、とても残念なことになりましたね。生き物が死ぬというのは、本当に落ち込みます。
どうしても、人間にはおごりが生じることがあります。ですがそこをいつまでも落ち込んでも仕方が無いと思います。宮っこさんでしたら今回の経験を他のカメさん達の為に活かすことが出来ると思います。
頑張って下さい!応援しています!
生意気を書き申し訳ありません
m(_ _)m
Posted by froger at 2015年07月01日 10:23
飼育個体を増やすことと状態良く飼うことの両立は難しいですね。
私の場合、上手く飼えていないことのストレスが新規お迎えに繋がっていることも多く、悪循環となっています(苦笑)

また、本来は限られた個体をじっくり飼うことで味わえる楽しみが、個体数が多すぎてお世話に忙殺されてしまっているだけの自分が嫌になることも・・・

でも、あのオスを一年近くかけて立ち上げた宮っ子さんは本当に凄いと思います!
Posted by ミツオ at 2015年07月01日 10:28
頑張って下さい。俺如きが言えませんけど。
Posted by モリマン at 2015年07月01日 22:35
亀仙人さん

>自分も何度かヒヤッっとした経験が

私もあります。よくあれで大事に至らなかったな、みたいな。でも1度の大事の背景には、その何倍もの兆候があったはずなんですよね。それに気付けなかったのが、今回の原因でしょう。

>そちらほどのベテランでも今回のように死なせてしまう事が

いえ、実はまじめにやり始めてからは4年半くらいです。前にも経験はありましたが、今ほど熱く取り組んではおりませんでした。経験を積むのはいいことですが、初心を忘れてはなりませんね。
Posted by 宮っ子 at 2015年07月02日 19:17
ワキンナマスターさん

やはり、似たような経験はされていますか… 飼育においても、「失敗は成功の元」です。でも命を扱っているだけに、死なせてしまうという最大の失敗は、軽々しくできるものではありません。特に今回のものは、どうにもならないワイルドの立ち上げ失敗ではなく、完全に立ち上がっていましたから… 私の怠慢以外の何物でもなく、モエギに申し訳なくてたまりません。

>飼育数が多くなってくると限られたスペースでやりくりするので大丈夫、と思っていてもどこかムリして

あああ… いま私が、陥りそうなところです。とくに、飼育のタイプがぜんぜん違うリクガメを迎えたところなので、世話のボリュームは格段に増えてるんですよね。だから、時間をもっと割かなければならない。ここで横着して同じ時間で世話しようとすると、どこかに無理が出ますよね。この一件から確実に学び、次へ繋げていかなければなりません。
Posted by 宮っ子 at 2015年07月02日 19:22
frogerさん
ありがとうございます。反省はするべきですが、これをいかに飼育のレベルアップへ結び付けられるかですよね。
危険は、高温の蒸れだけではありません。どこにどんな危険が潜んでいるのかという、危害分析。何をやれば防げるのかという、予防。今一度アンテナを高く持ち、ウチの危険を洗い出してみます。励まし頂き、ありがとうございます。確実にステップアップしてみせます。
Posted by 宮っ子 at 2015年07月02日 19:25
ミツオさん

>飼育個体を増やすことと状態良く飼うことの両立は難しいですね。

おっしゃる通りです。両立するには自分の時間を、さらに割かなければなりません。この覚悟ができないなら、新しい種を入れるべきではないですよね… 認識が甘かったです。

私は数はまだ大丈夫ですが、全くタイプの異なるキレーネが入ってきたので、今までの調子ではいけないですよね。新しいカメが来た分、よく考えて、しっかり時間をとって、大事にしていきたいと思います。
Posted by 宮っ子 at 2015年07月02日 19:28
モリマンさん
ありがとうございます。こういうことを書くかどうか悩みましたが、自分でしっかりと戒めにするためにも公開することにしました。反省から得るものも、あるはずですから。
 
この件によって、好調に飼っていても一歩間違えば、あっという間に取り返しのつかない事態になる、怖い一面を持つ趣味であることを再認識させられました。しかし非常に意識を高く持つことができるようになりました。
今いるカメたちのためにも、さらなるよい飼育を目指します。
Posted by 宮っ子 at 2015年07月02日 19:31
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